
「歯周病の治療って、痛いんでしょう?」
そう思って、受診をためらっている方は少なくありません。実際、歯科医院への不安を抱える患者様からそのような声をよく耳にします。
でも、安心してください。近年の歯周病治療は、痛みへの配慮が格段に進歩しています。麻酔の工夫、機器の改良、そして治療の進め方そのものが変わってきました。「自分だったら、どんな治療を受けたいだろう?」という視点で診療に向き合うことで、患者様の不安を少しずつ解消できると考えています。
この記事では、歯周病治療における痛みの原因と、それを最小限に抑えるための最新アプローチをわかりやすくお伝えします。

歯周病とは何か〜なぜ早期治療が大切なのか
歯周病は、静かに進む病気です。
初期段階では自覚症状がほとんどなく、歯ぐきの腫れや出血といった小さなサインを見逃しがちです。しかし放置すると、歯を支える骨(歯槽骨)にまで炎症が広がり、最終的には歯がグラグラして抜歯が必要になるケースもあります。
歯周病の主な原因は、「プラーク(歯垢)」と呼ばれる細菌の塊です。
プラークが歯と歯ぐきの境目(「歯周ポケット」)に溜まり、炎症を引き起こします。歯周病が進行するほど歯周ポケットは深くなり、通常の歯磨きでは届かなくなります。だからこそ、早期発見・早期治療が非常に重要です。
また、歯周病は口の中だけの問題ではありません。歯周病菌が血管を通じて全身に影響を及ぼす可能性があり、糖尿病や心臓疾患との関連も指摘されています。お口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながります。
歯周病治療が「痛い」と感じる理由〜その正体を知ろう
痛みの正体を知ることが、不安解消の第一歩です。
歯周病治療で痛みを感じやすいのは、主に「スケーリング」と呼ばれる歯石除去の処置です。歯石は硬く固まった歯垢で、専用の機器(超音波スケーラーなど)で振動を与えて除去します。このとき、歯ぐきに炎症がある場合や、歯周ポケットが深い場合は、処置中に痛みや出血を伴うことがあります。
また、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石を除去する「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」は、歯ぐきの下にまでアプローチするため、麻酔なしでは痛みを感じやすい処置です。
さらに、歯ぐきが敏感になっている方や、長期間治療を受けていなかった方は、処置に対してより強い刺激を感じることがあります。
ただし、こうした痛みは適切な配慮によって大幅に軽減できます。次のセクションで、具体的な方法をご紹介します。

痛みを最小限に抑える治療の工夫〜当院が実践するアプローチ
「痛みに配慮した治療」は、具体的な工夫の積み重ねです。
表面麻酔と注射麻酔の組み合わせ
麻酔注射そのものが怖い、という方は多いです。そのため、注射の前に「表面麻酔」を塗布し、針を刺す際の痛みをできる限り和らげます。
麻酔液は体温に近い温度に温めてから使用し、ゆっくりと注入することで、注射時の不快感を最小限に抑えます。こうした細かな配慮の積み重ねが、患者様の安心感につながります。
超音波スケーラーの適切な使用
歯石除去に使用する超音波スケーラーは、設定や使い方によって患者様への刺激が大きく変わります。
炎症の程度や歯周ポケットの深さに合わせて出力を調整し、必要に応じて麻酔を併用することで、処置中の不快感を抑えることができます。一度に広範囲を処置するのではなく、部位ごとに丁寧に進めることも重要です。
段階的な治療計画
歯周病治療は、一度で終わるものではありません。
まず口腔内全体の状態を把握し、歯周ポケットの深さや炎症の程度を確認します。そのうえで、患者様の状態に合わせた段階的な治療計画を立てます。無理に一度で処置を終わらせようとせず、患者様のペースに合わせて進めることが、痛みの軽減にもつながります。
患者様とのコミュニケーション
「痛かったら、いつでも手を挙げてください」
この一言が、患者様の安心感を大きく変えます。処置中に患者様が「止めてほしい」と意思表示できる環境を整えることは、痛みへの不安を和らげるうえで非常に大切です。治療前に処置の内容を丁寧に説明し、疑問や不安を解消してから始めることも心がけています。

最新の歯周病治療アプローチ〜痛みをさらに軽減する選択肢
歯周病治療の選択肢は、着実に広がっています。
レーザー治療の活用
レーザーを用いた歯周病治療は、歯ぐきへの負担が少なく、出血を抑えながら殺菌・炎症の軽減が期待できる治療法です。
従来のスケーリングと組み合わせることで、より効果的に歯周ポケット内の細菌を除去できる可能性があります。痛みが苦手な方や、出血が気になる方にとって、選択肢のひとつとなります。詳しい適応については、診察時にご相談ください。
薬剤を用いた歯周病治療
歯周ポケットに専用の薬剤を塗布・注入して、細菌を除去・殺菌するアプローチも注目されています。
歯石を物理的に削り取る処置と比べて、歯ぐきへの機械的な刺激が少ないため、痛みや出血を抑えられる可能性があります。ただし、保険適用外となる場合があるため、費用面も含めて事前にご確認いただくことをおすすめします。
再生療法〜失われた組織を取り戻す
歯周病が進行し、歯を支える骨が失われてしまった場合、「歯周組織再生療法」という選択肢があります。
特殊な材料を用いて、失われた骨や歯周組織の再生を促す治療法です。日本歯周病学会のガイドラインでも、適切な症例への適用が推奨されています。すべての方に適応できるわけではありませんが、重度の歯周病でも歯を残せる可能性が広がっています。
治療後のケアと予防〜再発させないために

治療が終わっても、それがゴールではありません。
歯周病は再発しやすい病気です。治療で歯周ポケットの炎症を抑えても、日常のケアが不十分だと細菌が再び増殖し、症状が戻ってしまいます。だからこそ、治療後の「定期メンテナンス」が非常に重要です。
定期的なPMTCで口腔内を清潔に保つ
「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」とは、歯科医院で専用の機器を使って行うプロによる歯のクリーニングです。
歯ブラシでは落とせない歯石や着色汚れを除去し、歯周病の再発を防ぎます。定期的にPMTCを受けることで、口腔内の細菌数を大幅に減らすことができます。
正しいブラッシング指導
ご自宅でのセルフケアも、再発防止の要です。
歯ブラシの選び方、磨き方の角度、フロスや歯間ブラシの使い方など、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた指導を行います。「なんとなく磨いている」から「正しく磨けている」への変化が、歯周病の再発リスクを下げます。
生活習慣の見直し
喫煙は歯周病のリスクを高める大きな要因のひとつです。
また、糖尿病との関連も深く、血糖コントロールが不良だと歯周病が悪化しやすくなります。食生活や生活習慣の改善も、歯周病治療の一環として考えることが大切です。

船曳歯科医院が大切にしていること〜患者様の立場に立った診療
「自分がされて嫌な治療はしない」
これが、当院の診療の根底にある考え方です。痛みや不安に配慮した治療を提供することは、開業当初から変わらないスタンスです。
約50年前、先代院長が開業した当初から、予防歯科に力を入れてきました。当時はまだ「予防歯科」という概念が一般的でなかった時代に、個室の診療室を設けて患者様が安心して治療を受けられる環境を整えていました。予防歯科先進国であるアメリカの診療スタイルを学び、定期的なメンテナンスを中心とした診療を実践してきた歴史があります。
院内はカフェのような落ち着いた内装で、歯科医院の雰囲気が苦手な方もリラックスできる空間設計となっています。診療室は全室個室なので、周囲を気にせず治療に集中できます。
「歯医者が苦手」「治療が怖い」という方こそ、ぜひ一度ご相談ください。痛みや不安を解消するための工夫を、一緒に考えます。
まとめ〜歯周病治療は「怖くない」時代へ
歯周病治療は、もはや「我慢するもの」ではありません。
麻酔の工夫、機器の改良、段階的な治療計画、そして患者様とのコミュニケーション。こうした積み重ねによって、痛みや不安を大幅に軽減することが可能です。また、レーザー治療や薬剤を用いたアプローチなど、選択肢も広がっています。
大切なのは、症状が軽いうちに受診することです。歯周病は進行するほど治療が複雑になり、痛みも増す傾向があります。早期発見・早期治療が、結果的に患者様の負担を最小限に抑えます。
神戸市中央区・元町駅から徒歩3分の船曳歯科医院では、歯周病治療をはじめ、予防・メンテナンス、PMTC、セラミック治療など幅広い診療に対応しています。「痛みが心配」「久しぶりに歯科に行く」という方も、安心してご来院ください。

診療時間は月・火・水・金・土の10:00〜13:00、14:00〜18:00です。お電話でのご予約は078-331-1103まで。Web受付・24時間AIチャット相談もご利用いただけます。
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著者情報
院長

船曳 晃滋
(ふなびき こうじ)
略歴
奥羽大学歯学部卒業
船曳歯科医院勤務
平成24年 船曳歯科医院が現在の場所に移転・院長就任
現在に至る
